「浮気だって、考えようによっては、夫婦円満の秘訣かもよ。だって、自分に後ろめたいところがあるとね、旦那にもやさしくできるじゃない」とこっそり耳うちしてきた人がいる。確かに、「他人のことは言えない」という思いが腹立ちを抑えるのだろう。一種の逆ハムラビ法ですね、これは。周囲を見ても、ストイックな妻は、そのぶん夫に厳しいような気がする。「私はこんなに頑張っているのに、あの人は」とか、「私は主人に誠実なのに、アイツは違う」となるからだ。言っちゃあなんだが、私もどちらかといえばその部類に属する。私は本当は外でお酒を飲んだりするのが好きなのだが、結婚したら妻たる者、絶対にそんなことしてはいけないと思い込んでいた。適当に楽しんでしまうというのができないのだ。だからそのぶん、夫には厳しいのかもしれない。彼はしょっちゅう飲み歩くし、気の合った女友だちを誘って皆で小旅行に出かけたりもする。そんなとき、私は寂しいと思い、ときには悔しくなって意地の悪い気持ちになる。「私はこんなに我慢しているのに、アイツばっかり勝手なことをしてる」と、思うからだ。けれども、これは自分勝手な考え方だ。「私がこうだから、あなたもこうしなさい」という無理な命令を出していることになるのだから。まして、夫は私が外出するのをいけないと言っているわけではないのだ。そういうわけで、最近は自分自身のガードを少し緩めることにした。気の合った人たちとたまにお酒を飲みに行ったり、食事をするようにしたのだ。現金なもので、自分が楽しいと、夫に対してやさしくなれる。どうもストイックにしていればいいというものではないらしい。自分に都合のいい解釈かもしれないが、ハムラビ法は人を不幸にするためにあるのではない。人間を自由にするために、結婚をより楽しいものに変えるために、自分自身のハムラビ法を見つけていきたいと思う。
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