逆説的ではあるが、モデルチェンジを長年にわたってしていないクルマ、あるいはしなかった記録について調べてみると、驚くべき事実が明らかとなる。まず依然他を圧している例では、VW社のビートルである。一九三九年から七八年まで実に四〇年間もモデルチェンジを行わずに生産が総いていた記録がある。西ドイツ本国のウルフスブルクエ場での生産は、七八年に現在のゴルフに変わったが、ブラジルやメキシコ工場にそれまでの設備が移され、現在でもビートルは生産が続けられている。
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これを連続生産に入れると、ことによると半世紀すなわち五〇年の長期連続生産の記録が作られるかも知れない。第二位はフランスのシトロエン2CVである。一九四八年の生産開始から今日まで三五年以上も、まったくモデルチェンジをせずに、はじめのままのボディ・スタイルと空冷エンジンのFF方式で生産が続けられている。一九八〇年にシトロエン社が経営不振となり、プジョー社の傘下には入ったが、2CVは消滅はおろか設計変更のきざしもなしに生産が続けられている。VWビートルが空冷エンジンのRR方式であり、FFのシトロエン2CVとともに構造が簡単なメカニズムで、軽量化か容易なボディ・スタイルであることが、実用車の極限としてユーザーから認められているからなのであろう。第三位はこれまたフランスのシトロエン・アミ6とルノー4であり、いずれも一九六一年の登場以来二〇年以上の連続生産実績がある。アミ6は2CVの豪華版として人気があり、ルノー4は今日世界中で大流行のFF式の五ドア・ハッチバック車の元祖として重宝がられている。