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メーキャップの語源

メーキャップの語源をひもといてみる。春山行夫著『おしゃれの文化史』によれば、現在使用しているメーキャップという言葉は、一七世紀の初め、英国の詩人リチャードークレショーがメイクアップという言葉を化粧行為を表す言葉として使用したのが始まりとされている。その後、ハリウッドの映画俳優が舞台化粧にメイクアップという表現を使用したことから普及した言葉とされている。メイクアップという言葉が使用される以前には、たとえばシェークスピアは戯曲のなかで化粧することをペインティングと書いている。当時白粉を原料にして紅の色や香りを加えたものをペイント(絵の具)とよび、それを顔に塗ったのでペインティングといわれた。もともと絵の具を塗ること、ペンキを塗ることをペインティングとよび、油絵画家やペンキ職人はペインターと言われている。春山行夫氏は前掲の著書でシェークスピアの戯曲『恋の無駄骨折り』の中からこのように引用している。「彼女が赤と白で顔をぬっていたら、彼女の不埓は人には知れぬ。不埓していりや赤い顔もするし、脛に疵持ちや青い顔もするが、化粧した顔はいつでもおなじ」「きみたち女は雨降りに外出ができない。顔のいろどりが洗われたら大変だから」といった歌やセリフがある。当時は雨傘がなかったので、にわか雨に出会ったらペイント化粧は処置なしであった。また、「彼女が涙を流していたら、その流れのあとに筋ができてしまいます。だからうっかり泣くこともできない」ともいわれた。現在のようにウォータープルーフの化粧品が開発されていなかった時代である。
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