若手の平社員と管理職、たとえば部長職にある人間の給料を比べてみると、差があまりにもなさすぎる。二〇代の平社員が三〇万で、部長職が五〇万などという企業もある。しかも管理職には残業手当がつかない。責任ばかりが重くなり、それでいて一寸先は闇である。長年の滅私奉公の末に待っているのは出向に肩たたき、贈収賄の片棒をかついで懲戒免職。これを見たら、若い社員がやる気をなくすのは当然だ。シャカリキになって働いても、先は見えている。
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ならば、嫌なことは避けて、汗をかくのも避けて、楽して適当に働こう。消極的快楽主義者たちは、そう結論づけるのである。こうした思いは、一流企業に就職した連中のほうに強い。一流企業のブランドを手に入れさえできればそれで十分。努力しようがしまいが、豊かな生活が保障されている。また、一流企業の看板さえあれば、結婚相手に困ることもないだろう。下手に上昇志向をになって汗を流そうなどとは思わないのだ。「ボーナスを三〇〇万円もらっても、嫌な仕事は嫌だ。会社のために私生活を犠牲にするなんて、とんでもない」教え子がいった。豊かな時代の子らを釣りあげるのは、じつに難しい。